なぜ「つい買ってしまう」のか?身近な事例でわかるマーケティングと購買心理

配信日:2026年9月20日(日)
テーマ:🛍️つい買ってしまう理由がわかる!身近なマーケティング雑学

この記事では、朝のInstagramライブの内容を分かりやすくまとめた解説資料(ホワイトペーパー)を、そのまま掲載しています。 配信を見逃した方や、文字で読みたい方に、参考にしていただけるとうれしいです。

この記事は、2026年9月21日noteに投稿したものです。
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🌹赤髪が話した主な内容

  • 商品の必要性は、どんな悩みと結びつけて伝えるかによって変わる
  • 買い物かごやカートには、商品を運びやすくし、購入を後押しする役割がある
  • 価格は、先頭の数字や表記によって印象が変わる
  • 選択肢が多すぎると、興味を持ってもらえても、購入を迷わせることがある
  • ブランド名や商品の形には、印象をつくり、他の商品と区別してもらうための工夫がある
  • ロゴの価値は、その後の活動や実績、物語の積み重ねによって育つ
  • AI時代においても、営業、自己研鑽、人間関係の構築を通じて、仕事の土台を築くことが重要

🌟結論:「買いたい!」は、伝え方と見せ方でつくられる 

必要なものだけを買うつもりが、気づけば買い物かごがいっぱいになっていた。こうした日常の何気ない行動にも、商品の見せ方や価格設定、購買のしやすさが密接に関わっている。

単に商品のスペックを伝えるだけでなく、それが顧客のどのような悩みを解決するのかを提示する。選択肢を並べるときは、顧客が迷わず決断できる導線を設計する。さらに、商品名やデザインには、直感的に記憶に残る工夫を凝らす。

身近なマーケティング事例から学べるのは、買い手が「何に心を動かされ、どこで立ち止まるのか」を深く理解する重要性である。この顧客視点を持つことが、自社の商品やサービスの伝え方を見直すきっかけとなる。

① 「リステリン」:悩みの伝え方が、商品の必要性を変える

リステリンは1920年代、口臭を「ハリトーシス」という言葉で伝え、恋愛や結婚にも影響する問題として広告で訴えた。商品自体はそれ以前から存在していたが、口臭への不安と結びつけた広告が、普及を後押しした。

この事例から考えられるのは、商品の特徴を説明するだけでは、その必要性が十分に伝わらない場合があるということだ。自分の生活や人間関係にどう関わるのかが分かると、商品への関心が広がる。

商品やサービスを紹介するときは、機能に加えて、どんな悩みを解決し、どんな場面に役立つのか具体的に伝えよう。

② 「スターバックス」:名前は、意味と響きから考える

スターバックスの名前の候補には、小説『白鯨(はくげい)』に登場する船の名前「ピークォド」があった。しかし、冒頭の「ピー」という響きが、英語で「おしっこ」を意味する「pee」を連想させるため、採用されなかった。その後、鉱山に関連する地名「スターボ」をきっかけに、同じ小説に登場する一等航海士「スターバック」の名前にたどり着いた。

名前を考えるときは、込めたい意味とともに、口にしたときの響きや、聞いた人が何を連想するかにも目を向けたい。日常的に呼ばれる名前だからこそ、受け取る側の印象が重要になる。

③ 買い物カート:使っている人の姿が、行動を後押しする

買い物カートは、導入当初からすんなり受け入れられたわけではない。男性には弱々しく見えるという抵抗があり、女性には乳母車を連想させるなどの理由で敬遠されたという。

そこで、店側はカートを使って買い物をする綺麗な男女(サクラ)を雇い、利用する姿を見せることで普及を促した。便利な道具でも、使うことへの心理的な抵抗があれば、広がりにくいことが分かる。

また、手で持てる商品の数には限りがある。買い物カートがあれば、多くの商品を運びやすくなる。買い物の負担を減らす仕組みは、追加の購入を後押しすることにもつながる。

④ 2,999円と3,000円:1円の差でも、安さの印象は変わる

2,999円と3,000円の差は、わずか1円。それでも、2,999円の方が、実際の差以上に安く感じられることがある。
価格の左側の数字が変わることで、金額の捉え方に差が生じるためだ。2005年の研究でも、こうした価格の「左桁効果」が検討されている。

また、普段から目にする「○○キュッパ」といった価格には、お買い得な印象が結びついている。一方で、高級感を重視する商品では、端数を使わない価格設定を採用することもある。

価格設定では、その表記が商品やブランドにどのような印象を与えるかも考える必要がある。

⑤ ギネス世界記録:日常の疑問が、新しい企画になる

ギネス世界記録の誕生には、ギネスビールの関係者が、狩りをきっかけに鳥の速さについて議論したという背景がある。鳥の速さに関する疑問を解決できる本が見つからず、本があれば役立つのではないか、と考えた。こうして1955年に、記録を集めた本の初版が刊行された。

人が思わず話したくなること、答えを知りたくなることは、企画の種になる。日常会話の中にある素朴な疑問に目を向けることも、新しいコンテンツを考える手がかりになる。

⑥ コカ・コーラ:形で分かることが、ブランドの強みになる

コカ・コーラの特徴的な瓶は、模倣品と区別するために生まれた。
1915年、瓶の開発にあたって求められたのは、暗闇で触っても、地面に落ちた破片を見ても、コカ・コーラだと分かる独自性だった。ラベルや名前だけでなく、瓶そのものを識別の手がかりにしようとしたのである。

商品を覚えてもらうための要素は、ロゴだけではない。形そのものにも、ブランドらしさを込められる。

⑦ ジャムの実験:選択肢を増やすと売れない!?

スーパーの試食台に、ジャムを24種類並べた場合と、6種類並べた場合を比較した実験がある。

種類が多い方が、足を止める人は多かった。でも、立ち寄った人のうち、実際に購入した人の割合は、6種類の場合の方が高かった。

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この実験では、興味を引くことと、購入を決めてもらうことに違いが見られた。

選択肢が多すぎると、比較する負担が増え、どれを選べばよいか分からなくなることがある。選んだ後にも、別の方がよかったのではないかと迷いが残る。

選択肢を減らせば必ず売れるという意味ではない。商品やサービスを案内するときは、相手にとって選びやすい状態になっているかを考えよう。

⑧ 「ナイキ」:ロゴの価値は、その後の活動で育つ

ナイキのロゴ「スウッシュ」は、1971年、当時デザインを学んでいた学生のキャロリン・デビッドソンが制作した。制作時の報酬は35ドルだった。

創業者のフィル・ナイトも、最初から気に入っていたわけではなく、いずれ好きになるだろうという趣旨の言葉を残している。

その後、ナイキが商品や活動を通じて実績を積み重ねる中で、ロゴも大きな価値を持つ存在になった。
ロゴをつくることは、ブランドづくりの出発点である。そのロゴのもとで、どんな商品を届け、どんな経験や物語を積み重ねるのか。完成時の好みだけでなく、その後の活動がブランドの価値を育てていく。

番外編:本当にAIに仕事を奪われるのか?

AIによって一部の業務が自動化される中、仕事の土台を整えることが大切だ。

  • 一つの依頼元だけに頼らず、複数の取引先との関係を築く
  • 営業や発信を続け、自分の専門性を伝える
  • 技術や知識を学び、提供できる価値を高め続ける
  • フォロワー数だけに頼らず、サービス内容や対応を通じて信頼を積み重ねる

不安をあおる情報だけに振り回されず、自分が今できる行動を重ねていくことが大切である。


配信者:赤髪

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SNS戦略家13年目。上場企業を含む1,500社以上のSNS運用を支援。現在は、NYにある美術館のSNS運用を統括。
2022年より、SNSを活用した集客・ビジネス構築を学べる「SNSACADEMY」主宰。累計生徒数は826名。
(なお、2025年末にて新規生徒受け入れを終了。赤髪による個別コンサル・サービスは完全終了しています)

要約:MARI/ライター

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元LINEの企業広報。広報歴15年。IT企業や通販企業で社外・社内・SDGs推進と幅広く広報業務に携わり、管理職も経験。現在はフリーランスとして、企業や個人事業主の広報支援およびライティング業務を行う。

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